ニュース2020.01.10
【コラム】バイオプラスチック
地球温暖化とプラスチックごみ問題
大人気(?)のコラムコーナー第二弾です。今回は、最近何かと話題になっているプラスチックに関する記事になります。
スターバックスでは同業他社に先駆けて、プラスチックストローから紙ストローへの切り替えを発表しました。また、ユニクロも2020年までに店頭でのプラスチック包装の削減目標を立て、順次紙袋へ切り替えると発表しました。日本政府も、2020年7月以降を目途に小売店でのレジ袋有料化を義務付ける方針を発表しています。
これらの背景には、プラスチックを燃やす際に排出されるCO2による地球温暖化への影響と、海洋プラスチック問題があります。本記事ではこの問題について詳しく触れることはいたしませんが、環境省の発表によると、日本の人口1人あたりプラスチック容器包装の廃棄量は世界2位とのことですので、我々もしっかりと考える必要があるでしょう。
そこで、包装業界で取られている動きの1つとして「バイオプラスチック」に関する情報を本記事にまとめました。情報を精査し記載しておりますが、もし万が一、事実と異なる点が御座いましたらご指摘いただけますと幸甚です。
普通のプラスチックと何が違うの?
バイオプラスチックとは、バイオマスと呼ばれる生物由来の資源を使った「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック(グリーンプラ®)」のことを指します。
通常のプラスチックは石油(ナフサ)を原料として作られているため、石油(ナフサ)を精製する工程でCO2が排出されてしまいますが、バイオマスプラスチックは主にサトウキビなどの植物由来原料から作られているため、CO2の排出量を大幅に削減することができます。また、燃やす際にダイオキシン類が発生しないという特徴もあります。一方、生分解性プラスチックは地中に埋めることによって微生物が水と二酸化炭素に分解してくれるという性質を持ち、循環性があります。
CO2削減効果は大
バイオマスプラスチックは植物由来原料から作られているため、焼却や分解により排出されるCO2は植物の成長過程で吸収されたCO2なので、地球上のCO2絶対量は増えない(カーボンニュートラル)という性質があります。
ただし、通常のプラスチック同様にバイオプラスチックの製造時にもエネルギーを必要とするため、完全なカーボンニュートラルではないとの意見もあります。
生分解性プラスチックも、地中に還ることによって焼却処理する必要がないのでCO2削減の一助となります。
ごみ廃棄問題の解決にはならない
CO2の排出量が削減されるので地球温暖化への対策としては非常に有効ですが、あくまでもプラスチックであることに変わりはないので、ごみ廃棄問題の根本解決にはいたりません。
生分解性プラスチックに関しても100%が分解されるわけではなく※1、自然に分解されることのない成分も含まれています。また、分解に時間がかかる上、基本的には地中に埋めた状態での条件となっていますので、海洋プラスチック問題の解決には残念ながら未だ光明が見えていないのが現状です。
※1 完全生分解性プラスチックは100%分解されますが、現在一般的に使用されているものは部分生分解性プラスチックとなっています。
取り組めるところから
今の環境問題全てに対応できるわけではありませんが、少なくとも企業として環境への配慮に取り組める部分の1つであることは確かです。
一気に解決するような規模の問題ではありませんので、取り組むことのできる範囲から着手するというのが大切になってくるのではないでしょうか。
環境問題への姿勢
バイオプラスチックは通常のプラスチックよりも材料費が高かったり、生産性が低い影響でまだまだコストのかかる製品です。それを踏まえた上での切替は、企業にとってなかなか勇気のいる決断となっています。
しかしながら、地球温暖化とプラスチックごみ問題は日本だけではなく世界規模の問題となっていますので、今後どのような姿勢で向き合っていくのか非常に難しい判断を迫られています。
また、企業だけではなく我々消費者も3R(Reduce・Reuse・Recycle)を日頃から意識して生活を送ることも重要になってくるでしょう。
おまけ
プラスチックは洗って出そう!
汚れているプラスチックは、リサイクルするにあたり洗浄コストがかかりすぎてしまうため、リサイクルに回すことができなくなってしまいます。完全に綺麗にする必要はないようですが、少しでも洗って出すようにしましょう。
ポイ捨ても海洋ごみに!
ポイ捨てされたごみが雨と一緒に側溝に流れ込んで川に流れて行き、それがやがて海に流れ込んで行くため、最終的には海洋プラスチック問題の原因となりかねません。当たり前のことですが、ポイ捨てはせず、ごみはごみ箱に!
※冒頭でも述べましたが、本記事はバイオプラスチックに関する情報を弊社独自にまとめたものになります。情報を精査し記載しておりますが、万が一、事実と異なる点などが御座いましたらご指摘いただけますと幸甚です。